2.印刷と用紙

皆さんは印刷というとどのようなイメージを抱いていますか。学校で印刷機を使ってプリントや資料、冊子という記憶が思い浮かぶのでしょうか。それとも会社に入って名刺やチラシ、のぼり、会社案内等の宣伝用資料を印刷業者に依頼したというイメージでしょうか。確かにこれらは全て印刷の範疇に含まれます。印刷というと非常に身近でありながら、ですが実は印刷業界や印刷のあれこれについてよく知らなかったのではないでしょうか。そんな身近にありながら、知っているようで知らない印刷のあれこれについて話を進めたいと思います。
地球環境問題が注目を集める現代ですが、印刷業界も例外ではありません。環境問題への配慮、取り組みが覚束ないと、印刷業界にも未来がないと言っても過言ではないでしょう。
印刷業が環境に与えている負荷の最大要因はなんと言っても紙です。地球上の熱帯雨林を原材料としてきたパルプがこれまで長い間印刷業を支えてきました。
現代に入ってワープロやパソコンが普及すると、当然のことながら紙の需要は増大しました。ですがバブル経済の崩壊を経て、IT革命の時代になっても、紙の需要はまだ増え続けています。地球規模で見れば最大の消費国は今も昔もアメリカですが、急成長を続ける中国でも紙の需要が右肩上がりに増えています。もしこのまま中国での紙需要が欧米先進国並みになれば、世界の木材パルプは枯渇するとまで言われています。
紙と一口に言いますが、新聞・印刷用紙以外にもトイレットペーパーやダンボール、包装紙からコピー・プリンター用紙まで幅広く使われます。但し生産量から見ると新聞・印刷用紙のそれが圧倒的に多く、印刷業界が環境問題に大きな影響を与えていることがわかります。それ故、印刷業界全体が再生紙や非木材紙へのシフトを真剣に考えていかなければなりません。印刷業界が環境負荷を減らすことが、環境問題に大きく貢献するとも言えます。
もともと日本では歴史的に再生紙の生産、利用が盛んでした。江戸時代には再生紙の生産が一つの産業として定着、発展していました。そうした背景もあって、日本の古紙利用状況は世界の先端を行っています。古紙回収率、古紙利用率共に、世界的に高い水準にあります。
こうした状況下で、2007年に入って印刷用紙における再生紙に大きな変化がおきました。それは「R100」と呼ばれる古紙配合率100%の再生紙の生産を、国内製紙メーカーが取りやめたことです。主な理由としては以下のような事情があります。

  1. 古紙市場の値上がりと海外流出による原料調達の不調

特に中国経済の急速な発展によって紙需要が高まっており、国内で回収された古紙原料の多くが中国へ高値で輸出されるようになり、その結果古紙市場が値上がりし、国内古紙生産メーカーの原料調達が難しくなっている。

  1. 古紙原料の質の低下

国内での古紙回収・リサイクルシステムが浸透した結果、再生紙が再度古紙として回収されるようになりました。再生紙は元の紙よりパルプ繊維が劣化しており、材質が劣っています。その結果品質面、生産面で問題が生じているのです。

  1. 古紙配合品(R100)は環境負荷が大きい

高配合用紙が定着しましたが、バージンパルプ上質紙と再生上質紙とで化石燃料由来の二酸化炭素排出を比べると、後者のほうが約1.3倍多くなっています。二酸化炭素の排出の減少が環境問題対策の大きな柱の一つとして考えられている現在、R100の生産と使用は、決してその方向に合致しているとは言えません。

古紙の生産、再生にはこうした問題もあるのですが、やはり環境問題を考えると古紙の回収、再利用を止めるわけにはいきません。生産する側も利用する側も、R100再生紙だけにこだわるのではなく、古紙を有効に利用しつつ、かつ環境によりやさしい紙の生産と回収方法を模索し続けていくべきなのです。

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Last update:2015/7/17